LinuC-2 - 202試験 - 2.11:ファイル共有サービス - 2.11.1 Sambaの設定と管理

Last Update : August 21 2022 17:47:14

     

a. Samba の概要

Samba(サンバ)は、UNIXおよびUNIX互換コンピュータを、Windowsのファイルサーバ、プリントサーバ、ドメインコントローラーとして使用するためのオープンソースソフトウェアです。
ここでは、LinuxやBSDなどを中心としたUNIX系OSにおいて Windows NT/2000互換のファイルサーバ/プリント・サーバ機能を提供するSamba について解説していきます。Samba はバージョンがあがるたびに機能が拡張されており、現在の代表的な機能としては、ファイルサーバー機能、プリントサーバー機能、WINSサーバー機能、PDC機能(プライマリドメインコントローラ)、DFS機能(マイクロソフトの分散ファイルシステム)、ブラウザからSambaを簡単に管理できるSWAT 機能などがあります。Samba3.0 以降からはKerberos認証のサポートしたことにより、Windows 2000のActive Directoryへの参加も可能となっています。なお、当ページではそのSamba の最も一般的な機能であるファイルサーバーに絞って解説していきます。


b. Samba の設定


1.samba3.0のダウンロード

Version samba-3.0.1
Homepage http://www.samba.org/
http://www.samba.gr.jp/ (日本Sambaユーザ会)
Download ftp://ftp.ring.gr.jp/pub/net/samba/
Install samba-3.0.1.tar.gz


2.Samba のインストール

$ cd /usr/local/src/
$ tar xzvf samba-3.0.1.tar.gz
$ cd samba-3.0.1/source

configureオプションには、デフォルトでno とされているいくつかのオプションを追加してみました。configure --help で何がデフォルトで有効か無効かがわかりやすいので一度は見てみることをお勧めします。詳細に関しては以下表を参照してください。コンパイルは結構時間がかかるので珈琲タイム♪

$ ./configure --with-smbwrapper \
                         --with-pam \
                         --with-syslog \
                         --with-quotas \
                         --with-winbind \
                         --with-acl-support \
                         --with-profiling-data \
                         --with-smbwrapper \
                         --with-automount \
                         --with-smbmount \
                         --with-utmp

$ make
# make install

●オプション
 --with-pam PAM認証を有効のサポート
 --with-syslog syslog への出力をサポート
 --with-quotas Quata 機能(容量制限)をサポート
 --with-winbind Windows NTドメインユーザーとUNIXユーザーの統一ログインを可能にする
 --with-acl-support ACL機能をサポート
 --with-profiling-data 性能に関する情報の収集
 --with-smbwrapper smbsh機能を有効にする
 --with-automount automountをサポート
 --with-smbmount smbfs機能をサポートするコマンドを作成
 --with-utmp utmpによるユーザーのアクセス記録の収集をサポート


3.smb.confの編集

Samba の設定ファイルはデフォルトではインストールされませんので、サンプルファイルからコピーして利用するか、自分で設定ファイルを作成してください。サンプルファイルは、ソースディレクトリ内の、examples ディレクトリ、もしくは、packaging ディレクトリにいくつか用意されています。ここでは、RedHat用のサンプルファイルを参考に、必要最低限な設定箇所を以下に解説していきます。

# cp /usr/local/src/samba-3.0.1/packaging/RedHat/smb.conf /usr/local/samba/lib/smb.conf
# ln -s /usr/local/samba/lib/smb.conf /etc/smb.conf

samba3.0からの注意点としては、日本語の扱いが従来までのSamba の設定とは変更された点です。以下が従来までの記述の仕方です。

coding system = euc
client code page = 932

Samba3.0からはパラメータが変更され、上記のような記述ではなく、以下のようにおきかわりました。

unix charset = EUC-JP
dos charset = CP932
display charset = EUC_JP

 unix charset UNIX側での文字コードの設定
 dos charset Windows側での文字コードの設定。日本語を利用する場合は、CP932になります。
 display charset swat で表示される文字コードの指定


4.GLOBAL設定(Samba全体の設定)

[global]
unix charset = EUC-JP
dos charset = CP932
display charset = CP932

workgroup = click-rescue.com  //Windowsのドメインを指定
server string = Samba Server //コンピュータ名に表示されるコメント
hosts allow = 172.16.50. 172.16.51. 127. //許可するネットワーク
log file = /var/log/samba/log.%m
max log size = 50 //ログファイルの最大サイズ
security = user //認証方法
encrypt password = yes  //パスワードを暗号化して送信
smb passwd file = /etc/samba/smbpasswd //パスワードファイルの場所
socket options = TCP_NODELAY SO_RCVBUF=8192 SO_SNDBUF=8192
dns proxy = no
netbios name = linux //Windows 上で表示されるコンピュータ名

# log level = 3 //0の場合は何もメッセージを残さない
# winbind use default domain = yes
# utmp = Yes
# dos filetimes = yes // ファイルのタイムスタンプの変更を許可




5.PUBLIC設定(共有ディレクトリ)

[public] がWindows 上で表示される共有フォルダの名前になります。comment は共有ディレクトリに関するコメントを記述します。path は、共有ディレクトリの絶対パスを記述しておきます。public = yes は、共有ディレクトリにするならば、必ず、「yes 」としておきましょう。「yes 」にしておくとディレクトリにアクセスする際に、パスワードを聞かれなくなります。

[public]
comment = Public Stuff
path = /home/samba
browseable = yes
public = yes //「yes」の場合はパスワードが不要、「no」はパスワード必要
create mode = 664
directory mode = 775

また、ディレクトリ自体のパーミッションも変更しておきます。

# chmod 777 /home/samba




6.HOME設定(個人用ディレクトリ)

homes セクションではユーザーごとのホームディレクトリをWindows 上で共有できるようにします。当然、ホームディレクトリの所有者以外、アクセスすることはできません。

[homes]
comment = Home Directories
browseable = no //「yes」にすると「homes」ディレクトリが見えてしまう
writable = yes
create mode = 644
directory mode = 755


7.smb.conf のテスト確認

smb.conf を編集した際には、構文間違いがないかを testparm で確認しておきます。testparm は、smb.conf に未知のパラメータがないかを検査してくれるコマンドです。エラーが表示されなければOKです。編集したら常にtestparm を実行するようにしてください。

# /usr/local/samba/bin/testparm /etc/samba/smb.conf


8./etc/samba/smbpasswd ファイルの作成

sambaのパスワードの暗号化形式は、Linuxログイン時に使用するshadow パスワードとは異なるため、smbpasswd というファイルを作成しなくてはなりません。パスワードを作成するスクリプトとしてmksmbpasswd.sh が用意されているのでスクリプトに実行権を与えた後、以下、コマンドを実行します。UNIXパスワードファイルを元にsambpasswd ファイルを作成する事ができます。

# chmod 755 /usr/local/src/samba-3.0.1/source/script/mksmbpasswd.sh
# cat /etc/passwd | /usr/local/src/samba-3.0.1/source/script/mksmbpasswd.sh > /etc/samba/smbpasswd

あるいは、mksmbpasswd.sh を/usr/local/bin にコピーしておき、以下コマンドを実行しても同様の操作になります。

# cp /usr/local/src/samba-3.0.1/source/script/mksmbpasswd.sh /usr/local/bin
# mksmbpasswd.sh < /etc/passwd > /etc/samba/smbpasswd

作成した後、smbpasswd からシステム用の不要なアカウントも削除しておいてください。また、パスワードファイルのパーミッションも適切に設定しておきます。


# vi /etc/samba/smbpasswd //不要なアカウントを削除しておく
# chmod 600 /etc/samba/smbpasswd

上記の操作ではSamba用のパスワードファイルは作成されましたが、パスワードは未設定の状態のままなので、smbpasswd コマンドを使って、パスワードを設定します。

# /usr/local/samba/bin/smbpasswd sakura
New SMB password:
Retype new SMB password:

smbpasswd でパスワードを作成したユーザーのみ、以下のように表示されている事を確認してください。

# cat /etc/samba/smbpasswd
sakura:500:CBEF1524C02D2BF66AFF3DDD7F8C47:[U ]:LCT-4080C996:sakura
koro01:506:XXXXXXXXXXXXXXXX:XXXXXXXXXXXXXXXX:[U ]:LCT-00000000:
koro02:507:XXXXXXXXXXXXXX:XXXXXXXXXXXXX:[U ]:LCT-00000000:


9./etc/services の追加

Red Hat では標準でサービスとして追加されていますが、記述されていない場合は以下の2行を追加しておいてください。

netbios-ns 137/udp
netbios-ssn 139/tcp


10.ログディレクトリの作成とローテート

Samba 用のログディレクトリはデフォルトでは作成されていませんので、予め作成しておきます。また、ログがローテートできるようにソースディレクトリ内にある、samba.log を /etc/logrotate.d 以下にコピーしておきます。また、環境に合わせてローテートファイルも編集しなおしておいてください(「logrotate によるログのローテーション」参照)。

# mkdir /var/log/samba
# cp /usr/local/src/samba-3.0.1/packaging/RedHat/samba.log /etc/logrotate.d/samba
# vi /etc/logrotate.d/samba

log file = /var/log/samba/log.nmbd {
   weekly
   rotate 5
   missingok
   postrotate
   /usr/bin/killall -HUP nmbd
   endscript
}

log file = /var/log/samba/log.smbd {
   weekly
   rotate 5
   missingok
   postrotate
   /usr/bin/killall -HUP smbd
   endscript
}


11.Samba の起動

Samba をデーモンとして起動させます。また、プロセスの確認も行っておいてください。

# /usr/local/samba/sbin/smbd -D
# ps aux | grep smb
root 12830 0.0 0.8 8404 2176 ? S 17:14 0:00 /usr/local/samba/sbin/smbd

以上で、Windows 上から、\\Sambaサーバー名\sakura でアクセスすることができるようになります。アクセスする際にユーザー名とパスワードを聞かれるので、先ほどsmbpasswd で作成したパスワードを入力してください。




12.パスワード不要の共有ディレクトリ+パスワード要のホームディレクトリ

1) 全ユーザが共有するディレクトリ=>パスワード不要
2) 各ユーザのホームディレクトリ => パスワード要

上記ふたつの条件を満たす設定を以下に示します。

[global]
 security = SHARE
map to guest = Bad User


[homes]
comment = Home Directories
read only = No
create mask = 0644
browseable = No

[public]
comment = Public Stuff
path = /home/samba
read only = No
create mask = 0777
directory mask = 0777
 guest only = Yes
guest ok = Yes



13.Samba の自動起動設定

Samba が自動起動できるように、ソースディレクトリ内にあるsmb.init を /etc/rc.d/init.d 以下にコピーしておきます。また、smb.initを開いて、起動用パスやsmb.conf の格納されているパスを各自の環境に合わせて編集しておいてください。私の環境ではこちらのようにしています。

# cp /usr/local/src/samba-3.0.1/packaging/RedHat/smb.init /etc/rc.d/init.d/smb

chkconfig --add でsmb を自動起動サービスに追加しておきます。

# chkconfig --add smb
# chkconfig --list smb

smb 0:オフ 1:オフ 2:オフ 3:オン 4:オン 5:オン 6:オフ


14.swat の起動設定

swat をxinetd 経由で動作させるための設定ファイルがソースディレクトリの中に用意されているのでそれを/etc/xinetd.d にコピーしておきます。

# cd /usr/local/src/samba-3.0.1
# cp packaging/RedHat/samba.xinetd /etc/xinetd.d/swat

デフォルトでは起動しないように設定されているので、disable = no に変更しておきます。

# vi /etc/xinetd.d/swat
# default: off
# description: SWAT is the Samba Web Admin Tool. Use swat \
# to configure your Samba server. To use SWAT, \
# connect to port 901 with your favorite web browser.
service swat
{
port = 901
socket_type = stream
wait = no
only_from = 127.0.0.1 172.16.50.0/27 172.16.51.0/28
user = root
server = /usr/local/samba/sbin/swat
log_on_failure += USERID
disable = no
}

変更したら、xinetd を再起動しておきます。

# /etc/init.d/xinetd restart

netstat で901番がLISTEN状態になっていることを確認しておきます。

# netstat -an | grep 901
tcp 0 0 0.0.0.0:901 0.0.0.0:* LISTEN
unix 2 [ ] DGRAM 901

なお、ブラウザでアクセスした際に、Swatのネットワークパスワードにroot のパスワードを入力してもログインできないことがありました。その時のsyslogを閲覧したら以下のようなエラーが発生していました。これは、/etc/pam.d/ 以下にsamba ファイルが存在しないために起きているエラーでした。削除した覚えもないのでソースからインストールした場合はおそらく存在しないかもしれません。ということで、私はRPMパッケージをダウンロードしてきて、rpm2cpio にて/etc/pam.d/samba を抽出し、元の位置にコピーしたところ、正常にswat にアクセスできるようになりました。

# tail -f /var/log/messages
Aug 5 03:06:06 ns1 swat[7043]: [2005/08/05 03:06:06, 0] auth/pampass.c:smb_pam_passcheck(810)
Aug 5 03:06:06 ns1 swat[7043]: smb_pam_passcheck: PAM: smb_pam_auth failed - Rejecting User root !

Swat の画面が文字化けしてしまう場合は、smb.conf にて、unix charset とdisplay chaset のパラメータを同じ値(ここでは、UTF-8)にしてみてください。

unix charset = UTF-8
dos charset = CP932
display charset = UTF-8


15.Samba3.0でのゴミ箱の利用

Samba3.0以降、ゴミ箱の機能が使えるようになりました。ファイルを削除すると予め指定しておいたディレクトリに移動します。まず、smb.conf を開いて[global]セクションに以下の行を付け加えます。ここでは、[homes]セクションにパラメータを記述していますが、全共有ディレクトリに同じ設定を適用したい場合は[global]セクションに記述してください。

# vi /usr/local/samba/lib/smb.conf
[global]
vfs objects = recycle

[homes]
recycle:repository = .recycle/%u
 # 削除されたファイルの移動先ディレクトリ。%u を付加する事で、削除したユーザのフォルダを
自動で作成してくれます。

recycle:keeptree = yes # ディレクトリ構造を維持してごみ箱に移動するか否かを指定する
recycle:touch = yes # 削除の際に、ファイルのアクセス日を変更するか否か
recycle:versions = yes # 同名ファイルが存在する場合に別名で保存するか否か
recycle:maxsize = 0 # ゴミ箱に移動するファイルサイズの最大値(0で無制限)
recycle:exclude = *.tmp # ごみ箱に移動せずに直接削除するファイルを指定
recycle:exclude_dir = /tmp/cache
# 指定のディレクトリから削除されたファイルはゴミ箱に移動しない
recycle:noversions = *.doc
# recycle:versionsの反対。両方のオプションを設定すると、こちらが優先される

予めゴミ箱ディレクトリを作成しておき、パーミッションを777に設定します。その後、Sambaを再起動し、設定を反映させてください。

# mkdir .recycle
# chmod 777 .recycle
# /etc/rc.d/init.d/smb restart

共有したディレクトリにファイルを作成してから、削除してみてください。.recycle ディレクトリ以下に、自動的に自分のユーザ名のディレクトリが作成され、その下にファイルが移動されます。この自動で作成されたディレクトリのパーミッションは700となるので、他のユーザにゴミ箱内を勝手に見られる心配はなくなります。また、recycle:keeptreeも「recycle:repository = .recycle/%u」とする事で正常に動作するようになります。

# ls -la /home/samba/.recycle/
合計 12
drwx------ 2 sakura sakura 4096 8月 5 02:20 sakura

.recycle ディレクトリをユーザひとりひとりに対して作成していくのは面倒なので、useradd コマンド時に自動的にコピーするように/etc/skel に.recycle ディレクトリを作成しておきます。

# mkdir /etc/skel/.recycle


16.ゴミ箱内のファイルを定期的に削除する

Fedra Core3には、tmpwatch という/tmp ディレクトリ内のファイルを定期的に削除するパッケージがインストールされており、これを流用することで.recycle ディレクトリ内も定期的に削除することができます。ここでは、10日間(240時間)アクセスのないファイルをゴミ箱へ削除することとします。まず、tmpwatchが/etc/cron.dailyに置かれていますので、このファイルを
/etc/cron.weekly/recyclewatch としてコピーしておきます。

# cd /etc/cron.daily/
# cp tmpwatch /etc/cron.weekly/recyclewatch

次に、このrecyclewatch 以下のようにを編集します。

# vi /etc/cron.weekly/recyclewatch
/usr/sbin/tmpwatch 240 /home/usr/.recycle
/usr/sbin/tmpwatch 240 /home/samba/.recycle


■参考

⇒MONYO-COM:Sambaの認証をWindowsに統合する
⇒[Chapter 6] 6.4 パスワード



b. Sambaクライアント

smbclient 、smbmount コマンドを使って、SambaクライアントからSambaサーバーにアクセスする方法について解説していきます。



1.sambaへのアクセス状況の確認 [ smbclient ]

まず、Windows 上からSambaサーバーのディレクトリにアクセスした後、smbstatusコマンドを実行してみてください。現在、誰がどの共有ディレクトリにアクセスしているのかを閲覧することができます。

# /usr/local/samba/bin/smbstatus -d

Samba version 3.0.1
PID Username Group Machine
-------------------------------------------------------
3100 sakura sakura koro (172.16.50.4)
3103 sakura sakura koro (172.16.50.4)

Service pid machine Connected at
-------------------------------------------------------
source 3103 koro Sat Apr 17 20:41:46 2004
↑↑ユーザーsakuraがsourceディレクトリにアクセスしている
IPC$ 3100 koro Sat Apr 17 20:16:21 2004
IPC$ 3103 koro Sat Apr 17 20:20:17 2004
No locked files

●smbstatus オプション
 -b 簡易表示
 -d 詳細表示
 -u 特定のユーザーの情報を表示する
 -L ロックされたファイルの一覧を表示する


2.LinuxクライアントからSambaサーバーへアクセスする

LinuxクライアントからSambaサーバーへアクセスするには、クライアント自身にsamba-clientパッケージがインストールされている必要があります。インストールされていなければ、インストールしておいてください。

$ rpm -q samba-client
$ rpm -ivh samba-client

まず、アクセス可能なディレクトリを表示してみましょう。書式は、「smbclient -L Sambaサーバー名」です。Sambaサーバーに限らず、Windows 上のコンピュータ名も表示されます。

$ smbclient -L ns1
added interface ip=172.16.50.6 bcast=172.16.50.31 nmask=255.255.255.224
Password:********** //パスワードの入力
Domain=[click-rescue.com] OS=[Unix] Server=[Samba 3.0.1]

Sharename      Type      Comment
---------      ----      -------
public         Disk      Public Stuff
source         Disk      Source Directory
IPC$           IPC       IPC Service (Samba Server)
ADMIN$         IPC       IPC Service (Samba Server)
sakura         Disk      Home Directories

Server               Comment
---------            -------
LINUX                Samba Server

Workgroup            Master
---------            -------
sakura               KORO
click-rescue.com            LINUX
WORKGROUP            WOODY

それでは実際に、smbclient コマンドを使ってSambaサーバーにアクセスしてみます。書式は、「smbclient //Sambaサーバー名/共有資源名」です。パスワード入力後、smb: \> という対話形式のプロンプトが表示されます。使用できるコマンドはFTPコマンドとほぼ同様なので、ここでは説明を割愛させていただきます。FTPコマンドを日常的に使用している方ならファイルのアップロード/ダウンロードが容易でしょう。

$ smbclient //ns1/homes
added interface ip=172.16.50.6 bcast=172.16.50.31 nmask=255.255.255.224
Password: # パスワードの入力
Domain=[click-rescue.com] OS=[Unix] Server=[Samba 3.0.1]
smb: \> ls
. D 0 Sat Apr 17 20:20:25 2004
.. D 0 Sat Apr 17 15:05:13 2004
.bash_profile H 214 Wed Mar 31 02:42:40 2004
Maildir D 0 Wed Mar 31 00:34:28 2004
public_html D 0 Tue Apr 13 00:49:55 2004
sakura D 0 Sat Apr 17 14:43:13 2004

39037 blocks of size 262144. 36679 blocks available
smb: \> pwd //Sambaサーバー上のディレクトリ位置の表示
Current directory is \\ns1\homes\
smb: \> lcd //ローカルマシン上のディレクトリ位置の表示
the local directory is now /home/sakura
smb: \> cd public_html/cinema
smb: \public_html\cinema\> ls
.                       D        0  Wed Mar 31 02:29:19 2004
..                      D        0  Tue Apr 13 00:49:55 2004
index.html              568  Wed Mar 31 02:29:10 2004
bbs                     D        0  Wed Mar 31 02:29:10 2004
cinema_list             D        0  Wed Mar 31 02:29:10 2004
diary                   D        0  Wed Mar 31 02:29:11 2004
gallery                 D        0  Wed Mar 31 02:29:12 2004
horse                   D        0  Wed Mar 31 02:29:14 2004

39037 blocks of size 262144. 36679 blocks available
smb: \public_html\cinema\> get cinema_index.html
getting file \public_html\cinema\cinema_index.html of size 568 as
cinema_index.html (1.2 kb/s) (average 1.2 kb/s)
smb: \public_html\cinema\> exit


3.Windows上の共有ディレクトリにLinuxクライアントからアクセスする

今度は、LinuxクライアントからWindows 上の共有フォルダにアクセスしてみます。LinuxクライアントからWindows 上の共有フォルダにアクセスするためには、smbmount コマンドを使用して、Windows上の共有フォルダをマウントします。なお、smbclient 実行時に、-o オプションをつけて、Windows 上のユーザー名を指定しておきます。また、codepage=cp932iocharset=euc-jpを付ける事で日本語ファイル名も正常に表示されるようになります。パスワードを聞かれるので同じくWindows上のパスワードを入力します。/mnt/win がマウントされているのを確認したら、カレントディレクトリを移動して中身を表示させてみてみてください。

# mkdir /mnt/win //マウントポイントの作成
# smbmount //koro/public_html /mnt/win -o username=administrator,codepage=cp932,iocharset=euc-jp
Password: //Windows上のパスワードを入力
# df -h
Filesystem            Size  Used Avail Use% Mounted on
/dev/hda10            494M   99M  371M  21% /
/dev/hda6              76M  9.2M   63M  13% /boot
/dev/hda9            1012M  462M  500M  49% /home
none                  251M     0  251M   0% /dev/shm
/dev/hda7             2.6G  1.8G  754M  71% /usr
/dev/hda8            1012M  255M  706M  27% /var
//koro/public_html    4.1G  420M  3.7G  11% /mnt/win
# cd /mnt/win //マウントポイントに移動
# ls
-rwxr-xr-x 1 root root 3.1M Feb 14 12:18 unh_iscsi-1.5-02.i386.rpm.80*
-rwxr-xr-x 1 root root 381K Feb 14 12:17 unh-iscsi-1.5.02-tz*
drwxr-xr-x 1 root root 4.0K Jan 18 21:37 まとめ/

最後に、起動時にも自動的にマウントできるように、/etc/fstab に以下のように記述しておきます。password が正確でないとマウントできないので気をつけてください。fmask は、ファイルに対するパーミッション、dmask はディレクトリに対するパーミッションを設定します。共に、「022」にしておく事で、ファイルは644、ディレクトリは755 のパーミッションで新規ファイル/ディレクトリが作成されるようになります。なお、ファイルシステムは、「smbfs 」になります。

# vi /etc/fstab
/dev/hda1     /mnt/hda1  ext3   noauto 0 0
//koro/share  /mnt/win   smbfs  username=administrator,password=***,rw,
codepage=cp932,iocharset=euc-jp,fmask=0222,dmask=0222 0 0

設定し終えたら、mount コマンドを実行して正常にマウントできるかどうか確認してください。

# mount /mnt/win

なお、アンマウントは、通常どおり、umount でも可能ですし、smbumountコマンドを使うこともできます。

# smbumount /mnt/win
もしくは、
# umount /mnt/win


4.トラブルシューティング(SambaサーバーからWindows共有を参照できない)

筆者の環境では、RedHat or FedoraCore標準で付属されているsamba-clientパッケージを使用した場合は、問題なくWindows 上の共有ディレクトリがマウントできたのですが、ソースからインストールしたSambaサーバー自体からWindows を参照しようとすると以下のようなエラーが発生しました。

# smbmount //koro/public_html /mnt/win -o username=administrator,codepage=cp932,iocharset=euc-jp
Password: ******
1265: session setup failed: ERRDOS - 2215
SMB connection failed

このようなエラーが表示された場合の解決方法は私が知る限りは2つあります。ひとつは、smb.conf の設定で「 encrypt passwords = yes」とすることで、パスワードを暗号化することです。WindowsNT/200系はパスワードが暗号化されていないと拒否られてしまうみたいです。

# vi /etc/samba/smb.conf
encrypt passwords = yes

もうひとつは、smb.conf の設定で、「workgroup = click-rescue.com」と自分のドメインとしているところを、「 workgroup = $OURWINDOWSNTWORKGROUP」のように変数名に変更したところ、あら不思議、普通にマウントできました…。

# vi /etc/samba/smb.conf
workgroup = $OURWINDOWSNTWORKGROUP

/etc/rc.d/init.d/smb restart

念のため、smbfs モジュールが正常にロードされているか確認しておきます。もし、ロードされていなければ、modprobeコマンドなども実行してみてください。

# lsmod
Module                  Size  Used by    Not tainted
nls_cp932              79868   1  (autoclean)
nls_euc-jp              4852   0  (autoclean)
smbfs                    44464   0
# modprobe smbfs



c. Samba クライアント


c. Samba 関連コマンド


z. 出題範囲概要

概要 :
  • さまざまなクライアント用にSambaサーバーを設定できる。これには、クライアントがログインするSambaの設定やサーバーが参加するワークグループの設定、共有ディレクトリの定義、インストールにおけるトラブルシューティングも含まれる。

詳細 :
  • Samba の設定ファイルとログファイル
    /etc/samba/, /var/log/samba/
  • Samba のユーティリティとデーモン
    samba, smbd, nmbd, winbindd
    smbcontrol, smbstatus, testparm, smbpasswd, nmblookup, net, smbclient, samba-tool
  • Windowsのユーザ名をLinuxのユーザ名にマッピングする。
  • ACL および AD のセキュリティ
    getfacl, setfacl

  [ 例題 ] 


         

    www.it-shikaku.jp